缶詰

帰国した

帰国した。昨年8月のほぼ頭に日本を出たので、8ヶ月ヨーロッパにいたことになる。これまでで一番長い国外の滞在だった。


帰国便はイタリアのミラノからソウルで乗り継いで成田というルートだった。スーツケースがミラノ→ソウル間は23kg, ソウル→成田が15kgだったのだが、ミラノに着いた時点で重さを量ってみると30kgあった。え?泣く泣く本を捨てたりお土産を飲んだりした。小島慶一『やさしいフランス語の発音』はめっちゃいい本だが、もう俺にはいらないので捨てた。Zweifelのパプリカ味のポテチと、rivellaっていう乳清を使った炭酸飲料(スイスローカル)が好きだったがこれも全部ミラノでいただきました。すみません。軽くて小さい板チョコ、紅茶、謎の調味料Aromat、フォアグラペーストぐらいしかない。

本当に買ってはいたんですよ

とりあえずミラノではぎりぎり23kgに収めて、ソウルから10kg分ほど郵送した。リュックもパンパンにした。7年前のSXSWのハッカソンでもらったogioのリュックだが、生地が色褪せてきただけでまったくダメになる気配がない。このリュックをくれたスタートアップは当時からどうやって稼いでいるのかよくわからなかったが、いまだに存続している。

ソウルの空港は日本人が多くて、もう日本に帰ってきたような気持ちになっていた。ホステルにいる一人旅の日本人は結構親近感を覚えるが、PhDの学生とか友達同士で来てワイワイキラキラみたいなのは身構えてしまう。夜になったので近くでチゲ食べた。なんか周り見たら焼肉屋だったっぽいので若干浮いてたかもしれない。普通に焼肉食ってもよかったな…。

なんたらチゲみたいなやつ

違う国に来たらそりゃちょっとは違う世界だなぁと思うわけだが、異世界感にもいろいろある。たとえばロンドンは地下鉄のせせこましさや英語表記という点で馴染みが深かった一方で、建物が総じて古い(そして立派)という点で異世界だった。

ソウルではハングル文字を全然読めないけれど、人種(というか日本人も多い)やトイレのきれいさ、あと料理の見た目が馴染み深かった。泊まっていたトンデムン동대문の町並みは馴染み深いような、がちゃっとしていてむしろ台湾とかを思い出すような。まあ日本でも探せば街並み自体は似た場所ありそう。それこそ鶴橋の駅出てすぐのアーケード下とかこんな感じだったっけ。異世界だな〜って思うのはそれだけ俺が日本を知らないということでもある。

泊まったところ

オンラインの採用面接が午前のめんどくさい時間に入り込んでいた。時差ボケで朝4時に目が覚めてしまい、布団でLLMと相談してスケジュールを組んでいると結構やばい感じがしてきて、さっさとチェックアウトしようとしたのだが、メッセージを入れても深夜なので反応もない。しょうがないのでキッチンでカップ麺食べて紅茶を飲んでいると、カウンターが開くまでどうしようもないな!と開き直ってきた。

早朝からやってる店で牡蠣のクッパを食べた。店の名前にメニューが入ってるとわかりやすくて入りやすいな…。うまかった。アツアツの鍋料理を長らく食べていなかった。キムチはスーッとする。朝まで飲んだであろうおっさんたちと若い男女がいた。一人で黙々と食っている人がいるのがヨーロッパとの違い。1000円弱したので毎日の朝食という感じでもないが、たまに食えるならお得だなーと思った。

牡蠣のクッパ

結果としてはすべてがうまくいき、渋滞してたけどバスは定時に到着して、郵便物もパッキング込みで30分ぐらいで出せた。面接は一次面接よりも常識的な感じで進んだが、別に悪くはないだろう。


向こうではずっとノートパソコン一つで作業してきたので久々に自宅のディスプレイで静音赤軸のキーボードを叩くと使いやすくて感動する。「直接書いている」という感じがすると、そのインターフェースが好きになる。

万年筆を使う一番の理由は、結局ペン先の位置が指に常に追従していて、それが心地いいからだ。もちろんインクとかもたまに変えるとおもろいけど、普段は青一択である。一般のボールペンだと、インクの入った芯をペン本体で支えるような形なので、どうしても隙間が生まれる。ペンを進める方向を変えると、その隙間分だけ芯が遅れて着いてくるので、指とペンの動作にズレが生じる。万年筆ではペン先と本体がほぼ一体なので、そのようなズレは生じない。紙を指で撫でて書いているような気持ちになることさえある。ちなみに、そのような点に気を遣ったボールペンとしてblenがある。ちゃんとブレないので気に入っている。

キーボードについては直接書くということもあんまりよくわからないのだが、なんとなく直で書いている感じがするものとしないものがある。体感の応答が速いとか、そういった点を感じ取っているのかもしれない。


日本といえば食事だが(?)、いまのところ普段の食事がおいしいというよりも、むしろ夜遅くまでやっているコンビニとか、調理済みの食事にいろいろな種類があるところにビビる。向こうで週3回ぐらいクロワッサンを食べていたので、ついこっちでもスーパーでクロワッサンの菓子パンを買って食べた。これはクロワッサンと呼べないと思った。もっとうまいパン屋さんとか行っておけばよかった。米はうまいと思う。

道が狭い。1車線がそもそも狭い上に車線数が少ない。めちゃくちゃ信号無視したくなってしまうが駅前ではみんな守るので、自分も我慢している(駅から10分ぐらい歩くとだいぶルーズになる)。花粉なのかホコリなのか知らないがずっと鼻をすすっている。

スイスの印象が残っているうちに早く書いて残しておかないと、どんどん日本に馴染み直してしまいそうで怖い。書く頻度を増やしたい。ベルリンについては詳細な旅行記を残したが、ロンドンやパリにも行ったのでその話は書きたい。


久々に東京の研究室に行ったら見知った顔がたくさんいたし、新しい人も来ていた。あと1年でぬるっと卒業できればいいが。院試のときは、走り高跳びのなんとか背中をよじってバーを越えていく映像がずっと頭にあって、ギリギリ、最低限で通ってやろう…と思っていた。修士全体もそんな感じになりそうである。

スイスでは新学期が2月半ばからなので、スイスで食らった新学期ムードを日本でも再度食らってしまい苦しい。桜はきれいだし、研究室は仲間が増えた気がしていいんだけど、それ以外は全部勘弁してほしい。