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2026/01/31 留学関連

2025年総括

2025年はどんな年だったか。日本(1-7月)海外(8月-12月)で分けられるだろう。8月〜10月ぐらいが一番楽しかったかな。仏語クラスはスタートダッシュによかったし、学期始めはいろいろイベントも多くて、そこで新しい人と知り合うこともできた。

一年通して、基本的に研究がほんのり(時期によってはめちゃくちゃ)だるくて、その足音を聞きながらも実際にずっと取り組むわけでもなく、他のことにもいろいろ手を出して楽しんだり気を紛らわせたりした。それは場所が変わってもそんなに変わらなかった。研究がいずれ仕事に置き換わるんだろうが、こういったものが生活の中心ひいては人生の中心みたいな立ち位置にくるのは腹が立つ。中心にある仕事によって生じる遠心力をうまく使ってやりたいもんだなあ、みたいなメタファーを持っている。

2025年の個人的流行語は「生きてる意味ねえなあ〜」だろう。生きている意味は所与のものではない。人間はただ生まれて死んでいくんである。意味がほしいなら探すか作るかするしかない。俺はまだ若いので、「生きている意味はこれから見つけられる/手作りできる」という希望・レトリック・言い訳を持っている。ただそういう言い訳がどうにもこうにも信じられなくなるときがある。生きている意味がないと考えるのは問題ではない。それを意識しすぎるのが問題である。実際機嫌がよかった期間はこういった言葉がほとんど出てこなかった。

近況

年末年始。ヨーロッパはクリスマスをそれぞれの家で祝い、27日あたりで一瞬スーパーが開き、年末年始はまたお休みである。年越しは同期の家で4人で鍋つくって、シャンパン飲んで映画観た。元日は昼前に起きて、しばらく落ち込んだあと、日が落ちてから散歩した。

大学も誰もいないので、俺はますます何も作業が手につかなくなってしまう。停滞。寒くなってきたのと風邪ひいたのと締切が近づいてきたのとプロジェクト(MLIP; 機械学習原子間ポテンシャルあたりをやっている)が上手く行ってないのとでまた生きてる意味ねえ〜という感じがしてきて、それでちゃんとした飯を作る気もなくなって悪循環、という感じであった。

1月5日ぐらいに締切が重なっていたが(なんて嫌なタイミング)、いろいろ崩れてしまったのもあり全然進まなくて、結局プロジェクトレポートが終わったのは1月26日とかだった。メンター(PhD Student)が直してくれたレポート見たらほとんど知らん人の知らん文章になってて萎える。ありがたいけど容赦ねえなあ。存在意義ねえ〜。長い文章が書けない。

生活や気候の差でいうと、曇りだと最高気温5度、最低気温0度みたいな日が多かったのできつかった。夏は夏で大学の三四郎池のベンチで横になってたし、冬は冬で湖畔歩いてベンチで横になっている。シャワーだけでお風呂に入れないのは厳しい。夏でも週1でお湯に浸かって気分を変えていたぐらいなので。日本の寮みたいに大浴場もない。あとまともな文具とか、ソース味とか、漫才とか、そういうのが足りてない。YouTubeで日本の電車のメロディとかアナウンス集を見つけて聞き入ってしまった。

映画観たり本読んだりした。香山哲『ベルリンうわの空』とか『プロジェクト発酵記』読んだ。挑戦しないとか自分にやさしく…的なノリを精緻に実践している例としておもしろかった。師匠にも通ずるノリがある。インタビューを通して自分にしゃべってもらう。映画は『ミュージカル「ヘタリア~The glorious world~」』『善き人のためのソナタ』『The Boss of It All』『The Royal Tenenbaums』あたり。『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEスターリッシュツアーズ』は3回ぐらい観た。締切が近づくと映画めっちゃ観る。Le Petit Princeほしのプリンスさまの原著はまだ読めてないというのに…。


先週は3時間の試験が2個あって疲れた。勉強してなさすぎる割にはできたなー。日本だったら「可」がくるラインだろうか…。試験後帰ってきたらなんもできなくて、疲れてるのかなんなのか。睡眠をずらすのはまあいいが、削るのは危ない。カフェインキメまくり消耗戦とかやめたいねえ。もう24歳だもの。しかし他の正規の学生は4個とか5個とか受けてるのでたいしたもんである。

(東京にいる)後輩の卒論を手伝ったりもしていた。誰かが見ていろいろ質問したりするのはいいことだ。俺が見たところでと思いつつ…、誰が見ても言いたくなるようなことを言うことを期待されている、別に俺らしい話をする必要はない、その話をよく知っている人にもそこまで知らない人にも役割がある、…みたいなことを考えて納得させている。卒論もなかなか大変だ。一人で抱え込むのはよくないわけだけど、相談するのは難しい。こんなにしょうもない卒論を人に見せるのは恥ずかしい。


研究については勉強にはなったが、モチベーションとか「やれるぞ!」という感じは特に得られず、どこにいってもそんなにやる気ないなということがわかった。自然とか、生活のスタイルとか、出会った人間とか、そういうところがおもしろさの中心にあった。過去の落穂拾いもしている。

大学が変わったからか、外国語を話しているからなのか、飲みに行く頻度が上がったからなのか、何やってもスイスに置き去りにできるからなのかわからないが、遠慮とか卑屈さとか自己検閲が弱まっている感じがある。せっかくなのでもうちょっとやりたいことを考えてみて、やれそうなものについては試してみたり、失礼にならない程度にいろいろ喋ってみている。フレンドリーなヨーロッパの学生を見習っているところもある。全体的に気分とか自己効力感的なやつもマシにはなっているので、なんとか持って帰りたい。

出口戦略

講義はもう終わっているが、3月末まで滞在する。とりあえず2月3月は旅行をたくさんする。明石とか東京にいたときにほとんど引きこもってたし、学部の卒業旅行も行ってない。そういう言い訳を使いつつ、ロンドン、パリ、リヨン、コペンハーゲン、ベルリン、ケルン、ザグレブ、プラハ、ウィーン、アムステルダム、ソフィア、イスタンブール、アテネあたり行きてえんだよな。多すぎて草。あとスキーも1回行っておきたい。夜行列車もいいな…。あー年内にもっと行っておけばよかった。でも交換留学生のなかでもまあまあ行ってるほうではあるし、仕方あるまい。建前上研究もしてたからな。高校生の語学留学じゃあるまいし…。

就活関連のメールとか見てると「今を生きろ!Carpe Diem!」と動く気分が出てくる。5年勤続でリフレッシュ休暇10日ってそれリフレッシュになるんですか?5年働いたら1年ぐらい休みたくないですか。就職したらなかなか長旅できないと思うと悲しい。なんか道を間違えてヨーロッパにも死ぬまで来られなくなるかもしれない。そういう焦りをもってベルリンへの飛行機を予約した。デッサウ=ロスラウのバウハウスの宿舎に1泊することにした。楽しみ。他はホステルで安く済ませる。

みんなそれぞれの道を持っている。PhD目指すとか、他の場所で留学続けるとか。それは日本だろうがスイスだろうが変わらないが。俺はというと、あんまりこの留学を活かしてキャリアやら学術的にどうということはない。ふつうに帰ってまた東京でごろごろする。それでうまくいけば修士卒として企業に雇用される。一瞬インターンとか考えたけど、1ヶ月行ったところでそんなに世界が広がる気もしなくてやめた。

一期一会。ここで出会った人の9割ぐらいはもう二度と会わないだろう。状況が変われば全然話さなくなることはザラである。毎日研究室で話していた人も、院進すれば全く会わなくなったり、あっけない。日本でも同じなんだけど、こっちに来てそういうことをよく考える。話したいことやりたいことはなるべく言っておこうと思った。いいことだ。

お金について

なんかの雑誌で「一人で挑戦したかった」みたいなこといいながら仕送り月15万もらってるってので叩かれてたが、東京なら十分ありえると思う。家賃7万、食費2万、学費が55万円/年=4.5万/月。ここまでですでに13.5万円。いまはバイトもしていないので実家におんぶに抱っこである。

留学の奨学金として、スイスのHeyning-Roelli財団から4000CHF (80万円弱) と日本のJASSOから50万程度、合計で130万円ほどいただいている。同じ枠組みで来た同期はJASSOをたいてい受給している。自分はちょっと運がよかった。奨学金をもらうのが人生で初めてだった。お金もらったらやる気でるかなあと思ったが、特に変化はなかったと思う。むしろ罪悪感が増えた。衛生要因。ちなみにローザンヌで住んでるところが学生寮の最安値で、510CHF = 月10.2万円です。前いた寮だったら2部屋借りてもお釣りがくるぞ…。まあ1年前は1CHF = 170円だったのが最近はほぼ200円なので、日本円で考えてもしょうがないんだけど…。

結局俺がどれくらいお金を使っていいのかってのがピンときてなくて、変なところでケチったりするのもよくない。飯とかも結構ケチりがち。俺が健康になって、それで?と思ってしまう。仕事をする、趣味をやるためにちゃんと生活したほうがいいという論理はわかる。ただ強く成果を求められているわけでもないし、俺が俺のやりたいことをやるってのがそこまで尊重すべきことだとも思えない。それで生活もあんまりやる気ない。でも趣味を通した没頭がないと病む。でも生活の質を上げてまでやりたい趣味もない…?ぐるぐるしている。このへんの考え方の整理はついていないが、とりあえず頭の中の情報で書いた。これ以上考えるなら本を読む。ま、どうせ3年もすれば嫌というほど働いて働いて納税して納税してまいります。あーイヤすぎる。